「起業を有利にするために資格を取っておきたい」このようにお考えの方も多いでしょう。しかしどんな資格を取ればいいか分からないかもしれません。
そこで今回は、数ある資格の中から初学者でも合格を目指せて、かつ有効な資格を厳選しました。資格を取る必要性や注意点と併せてご覧下さい。
起業の際に資格を取る必要性とは
そもそも起業をする際に、資格を取っていた方が良いのでしょうか?
結論から言うと、必ずしも必要という訳ではありません。しかし、もっていると役立つことがあるのもまた事実です。
資格をもっているという事実は実力やスキルの証明、つまり信頼になります。多くの人や企業とやり取りをする中で、相手に安心感を与えることが可能です。また、学んだスキル自体も会社経営に役立てることができます。
以上のメリットから、勉強する余裕があるのなら資格取得はおすすめです。
特定の資格が必要な場合がある
ただし、事業を始めるに当たって、特定の資格が不可欠な場合もあります。極端な話、弁護士や医師をするには国家資格が必要となりますよね。
このように、自分が開業したい分野で必要な資格があるかどうかも、事前に調べておきましょう。その資格を優先的に取得しておくことをおすすめします。
起業におすすめの資格3選
それでは、起業に役立つ、実際の業務に活かせるおすすめの資格をご紹介していきます。
たった3つですが、月単位の勉強で取得できる即効性の高いものを選びました。勉強時間の目安も解説しているので、ぜひご覧ください。
日商簿記
簿記はご存知の方も多いかもしれませんね。簡単に言うと、お金の入出を整理・管理する能力が身につきます。
起業におすすめな理由は、お金の流れを理解する能力が付くからです。経営状況を的確に判断できるようになるのが最大の魅力でしょう。
取得におすすめなのは、日商簿記2級です。3級は基礎的な内容ですが、2級はそこから少し踏み込むため、より実用的な知識を得られます。
2級の合格率は、平均で2割3割程度と考えて良いでしょう。ただ、およそ8%の時もあれば、47%を上回る時もあります。そのためあくまで目安としてお考えください。
勉強時間の目安は、3級で70時間、2級で200時間となっています。1日2時間の勉強で、3級であれば約1ヶ月、2級であれば3ヶ月と少しくらいの勉強時間です。
FP(ファイナンシャルプランナー)
FPは、お金に関する専門知識を基に生活設計のアドバイスなどをする仕事です。
会社経営にも、税金や資金繰りなどお金に関する判断が求められます。FPの知識をもっていることで、お金に関する判断を自分でできるようになるのです。
取得におすすめなのは、実務に活かせるFP2級です。ただし3級を取得しないと受験資格を得られません。そのため、3級→2級と順に取る必要があります。
2021年1月の試験では、3級の合格率は学科で約87%、実技で約86%。2級の合格率は学科で約44%、実技で約71%でした。
勉強時間の目安は、3級で80〜150時間、2級で150〜300時間と言われています。1日2時間の勉強で、3級であれば1ヶ月〜3ヶ月。2級であれば、3ヶ月〜5ヶ月という計算になります。
ビジネス実務法務検定
ビジネス実務法務検定では、ビジネスに関連する法律の知識を得られます。ビジネスに不可欠な法的観点を身につけられる資格なので、ぜひ取得したいところです。
おすすめなのは、3級もしくは2級になります。3級は基礎的なレベル。2級は実務レベルの高度な専門知識が必要とされます。
2020年12月の試験では、3級の合格率が約75%、2級の合格率が約43%でした。勉強時間の目安は、3級で40時間、2級で80時間は必要と言われています。1日2時間の勉強で、3級であれば1ヶ月弱。2級であれば、1ヶ月半が勉強時間となります。
資格の取得方法とは
資格を取るための勉強方法は主に三つです。
一つ目は、専門学校やスクールに通うこと。プロの講師から体系的に教えてもらえる、一緒に学ぶ人がいるというメリットがあります。
二つ目は、通信講座です。体系的に学びつつ、好きなタイミングで勉強できるというメリットがあります。
三つ目は、書籍などを用いた独学です。自宅で勉強できる、勉強費用を抑えられるというメリットがあります。
時間にもお金にも余裕がある方は、スクールで学ぶ方法がおすすめです。やはりプロから効率的に教えてもらえる点は、独学には無い大きな魅力と言えるでしょう。
独学で取得したい方は、通信講座と本での独学を組み合わせるのがおすすめです。テキストで全体を学びながら、苦手な箇所を市販の参考書で補うという形が取れます。
起業のために資格を取る際の注意点
起業を有利にするために資格を取る場合、気をつけるべき点がいくつかあります。ただ漠然と勉強するだけでは、かえってビジネスの妨げとなってしまう場合もあるので注意しましょう。
資格取得が目的ではない
今回ご紹介した資格は、もっていると非常に役に立ちます。しかし、成功を保証するものではありません。
資格はあくまで事業を成功させるための手段であり、それ自体がゴールでは無いのです。資格取得に夢中になりすぎるあまり、事業が疎(おろそ)かにならないようにしましょう。
難易度を見極める
専門的な資格の多くは、合格の難易度が高いです。そのため、全ての資格を取るというのはあまり現実的ではありません。
資格はあくまで手段でありゴールではないです。資格取得の難易度が高すぎる場合、勉強ばかりで他のことは疎かになってしまうかもしれません。
- 自分にとってどれくらいの難易度か
- 十分に学習時間をかけられるのか
- その資格をビジネスでどう活かせるのか
上記の点を検討しながら、挑戦する資格を慎重に選ぶ必要があります。
起業するなら資格取得も視野に入れよう
起業を少しでも成功に導くための資格取得。今回紹介した簿記・FP・ビジネス実務法務検定はどれも人気の資格です。
勉強して損はない分野なので、ビジネスに役立つ資格を取っておきたいという方はぜひチャレンジしてみてください。