個人事業主の節税3ポイント!わかりやすく解説

個人事業主になると、毎年確定申告が必要です。この際、節税対策のポイントを学んでおきたいですね。まず、1分かからずに読めてしまう、冒頭の【節税のコツ3ポイント】をお読みください。そのうえで、個人事業主にとって必要な税金の基礎知識&節税のためのノウハウ集を、ぜひご覧になってください。

簡単な節税のコツ、3ポイント!

プロが伝授する節税のコツは、以下の3ポイントです。

  • 売上げを減らす
  • 経費を増やす
  • 受けられる所得控除を増やす

「えっ?」と思いましたか。不思議に思うかもしれませんが、単純に売上を増やすことは、所得税を増やすことにもなりますので、税理士などのプロは節税のコツを上記のように教えてくれます。それほど、節税対策には工夫が必要だ、ということです。

しかし、現実には、①経費を増やす ②受けられる所得控除を増やす…。これができれば、節税できる、といえるでしょう。次項から、上記を踏まえて、個人事業主の、税金知識&節税対策をわかりやすくお伝えいたします。

個人事業主が確定申告で支払う税金一覧

個人事業主が支払う税金は次のとおりです。

①所得税

②住民税

③個人事業税

④国民健康保険税

⑤消費税(年収1,000万円を超える場合)

⑥固定資産税(事務所が自宅と兼用の場合など)

上記のうち、個人事業主にとって、税金を払う上でもっとも大切と思われる税金は、所得税でしょう。【所得】とは、売上金額から必要経費を差しひいた金額のことです。

「所得」=収入ー必要経費

個人事業主である、Webデザイナー、Aさんがいるとします。Aさんは、仕事をするために必要なパソコンやソフトを購入。すると、仕事をするのに必要なPCやソフトは【必要経費】になります。

仮に、必要経費の合計額が170万円だったとしましょう。Aさんの年間売上は、400万円。そうしますと【所得】は、400ー170=230万円、となります。所得税とは、売上金額にかかるのではなく、所得にかかる税金です。

お得な!個人事業主の節税ノウハウ

確定申告には、【白色申告】と【青色申告】の2種類があります。節税のためには、ぜひ青色申告をおすすめしたいです。

確定申告なら、青色申告をおすすめ

青色申告、よく聞く申告方法ですね。いったいどのような申告方法なのでしょうか。

  • 白色申告…経費のおおまかな記帳だけで、申告ができる。ただし、控除がない。
  • 青色申告…細かく、数種類の帳簿に記録しなければならないが、控除が受けられる。

青色申告の方が、一見たいへんそうです。ですが、2014年に法律が改正されて、白色申告でも、簡単な帳簿につけて提出しなければならなくなりました。

ですから、様々な節税メリットがある青色申告をチョイスする人が増えてきました。青色申告のメリットとは、以下のようなことです。

  • 最大65万円の特別控除
  • 家族従業員への給与が必要経費に
  • 30万円未満の減価償却資産は全額経費
  • 赤字を出した場合は、純損失を3年間繰り越して控除
  • 貸倒れ引当金も経費に

減価償却資産とは、車や建物など、高額かつ、長期にわたって使用できる物をさします。基本的には、耐用年数10年の物を100万円で購入したときには、毎年10万円ずつ、減価償却費として経費に計上していくことになります。

青色申告では、パソコンや車など、事業に必要な減価償却資産について、購入年に一括して、合計300万円まで、経費として計上することができます。

さまざまな控除を利用しても、マイナスになる部分を【純損失】といいます。青色申告者であれば、この純損失を翌年以降、3年間繰り越して、その年々の所得から控除を受けることができます。

貸倒れとは、取引先の倒産などにより、売掛金などを回収できなくなることです。貸倒れ引当金とは、回収できなくなるかもしれない金銭をあらかじめ予想し、経理に計上しておくもの。

たとえば、翌年に倒産して、もらえなくなるかもしれない売掛金などを計上しておくものです。年末の売掛金残高の最大5.5%まで、認められます。複雑に見える、青色申告ですが、近年はわかりやすい会計ソフトなども出ています。簿記の知識がほとんどなくても、使えるそうですよ。

青色申告をするには

個人事業主が青色申告をしたいときは、個人事業の【開業届出書】と【所得税の青色申告承認申請書】を前もって税務署に提出しましょう。【開業届】は、事業を開始した日から1ヵ月以内に提出することが必要です。

また、【青色申告承認申請書】は、青色申告をしようとする年の3月15日までに、税務署に提出しなければいけません。

前もって申請手続きをしていませんと、いざ確定申告の時期になったときに「青色申告をしよう」と思っても、することができませんので、注意が必要です。

節税対策のもれを作らないように

以上を含めてまとめますと、節税の基本ノウハウは、以下の7つです。

  • 経費はもれなく計上する
  • 青色申告する
  • 所得分散する
  • 家賃などの納付は年払いにする
  • 小規模企業共済を利用する
  • 中小企業倒産防止共済を利用する
  • いずれは法人化する

所得の分散は、ぜひおすすめしたいです。たとえば、あなたの年間所得が、2,000万円出たとします。

個人事業主であるあなたが男性で、妻帯者のとき、あなた一人が申告する場合と、あなたと奥さんの二人で利益を分けあって申告するときとでは、税金額がかなり変わります。この場合は、300万円近くを節税することが可能です。

もちろん、奥さんが、あなたの事業スタッフであることが必要です。

家賃など、毎月決まって支出があるものは、翌年の1年分を前納してしまいましょう。そうしますと、そのすべてを経費に入れて良いことになっています。

小規模企業共済とは、個人事業主の退職金制度のようなものです。掛金は、所得から控除されます。中小企業倒産防止共済制度は、取引先が倒産したときに、融資をしてくれる、保険のような制度です。

万が一、取引先が倒産したときには、掛け金総額の10倍を限度額として、最高8千万円の貸付けを受けることができます。そして、あなたの事業が、ある程度の収入を見込める場合には、個人事業主ではなく、法人化してしまいましょう。そのほうが、節税対策の上で有利だといえます。

コレで万全!個人事業主の節税対策

個人事業主が事業を軌道にのせるのには、3年程度はかかるといわれます。特に、経営が安定するまで、節税対策はマストといえるでしょう。

個人事業主が節税するためには、マメであることが大事ですね。

便利な会計ソフトなどを利用しながら、節税を習慣化していきましょう。